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有川浩

少年少女のみならず大人の読者の心も掴み、拡大を続ける"ライトノベル"。本県出身の有川浩は、その"ライトノベル"の世界で活躍し、幅広い層から支持されている作家だ。今回、県立文学館での講演会のために帰高した有川に、代表作とも言える『図書館戦争』シリーズを終えた今の心境などを聞いた。
-ありかわひろ-
 1972年、高知県生まれ。現在は関西在住。2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃小説大賞を受賞し、作家デビューを果たす。2006年に出版された『図書館戦争』が「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメント第1位を獲得、2007年度本屋大賞にノミネートされて話題となった。その他の著作には『空の中』『海の底』『レインツリーの国』『鯨の彼』などがある。
  『図書館革命』 発売中/1680円
年始、原子力発電所を襲った国際テロ。それが図書隊史上最大の作戦の始まりだった…。果たして図書隊は、「メディア良化法」の横暴を阻止できるのか!? 『図書館戦争』シリーズ4弾にして、堂々の最終巻!(メディアワークス刊)

■講演会お疲れさまでした。
有川:初めてだったので疲れましたね(笑)。何とかウケや笑いがとれたのでよかったです。「朗読コンクール」出場者の親御さんにとっては私の話はついでだったと思うんですけど、ちゃんと聞いて反応していただけてありがたかったですね。

■作家を目指したきっかけは?
有川:小さい頃からお話を書くのが好きで、それの延長線上ですね。小学校高学年の頃にコバルト文庫で新井素子さんの作品などを読んで、ライトノベルを書く作家さんになりたいという希望がその頃から漠然とありましたね。で、高校生の頃から投稿しはじめて最終選考に残ったり、小さな賞などをもらっていたんですよ。だけど、私は惜しいところまで指一本引っかかるけど、その上にはいけないんだと感じて。ちょうど社会人になって書く時間も無くなって… そうなると、ライトノベルそのものが未練になってくるじゃないですか。それで一度、ライトノベルを読むことからも離れたんですね。そして結婚して、主人が、私が書きためていた作品などを読んで「君はそのうちプロになるよ」と言ってくれて。それで書き上げたものを電撃小説大賞に送ったら大賞になって今に至るというわけです。

■私も学生時代にライトノベルをよく読んでいました。
有川:ただあの当時のライトノベルは、大人になっていく読者に対して受け皿が無かったと思いません? まだ若いジャンルだけに。感性が少年少女から離れてしまうと、その作品も君たちの受け皿はここには無いよって自然にはじき出されて。一般小説の世界にも、こういう楽しめる本があるのかなって期待しながら行くと、そんなのは無いよってつっぱねられて。

■確かに。年齢が上がってから読む本を探すのに苦労しました。一般小説は妙に敷居が高いように思ったりして。そう考えると今は小説のジャンルのボーダーが無くなりましたね。
有川:そうですね。ようやくボーダーが無くなってきましたね。あの頃の私たちはライトノベルからはじき出されて、放浪の民でしたよね。ライトノベルは少年少女が多いという

■2作目の『空の中』は高知が舞台ですね。
有川:高知を舞台に出したのは、今は高知から離れているけど、郷里として高知が好きというかリスペクトのような気持ちからですね。チャンスがあれば高知を舞台にした作品を書きたいし、小ネタで混ぜたいなと思うことはありますね。地元の人に、こういう作家が高知から出たよって認識してもらえるとうれしいですね。

■11月に発売された『図書館革命』で、『図書館』シリーズが完結しましたね。シリーズを終えた今の心境は?
有川:あとがきで書き尽くした感はありますけど、思ったほどさびしくないなって。私はここでカメラを止めたけど、彼らの人生は彼らなりに続いていくので、懐かしくなったら、いつでものぞきに行けば彼らは生きているみたいなそんな感じです。

■有川さんがキャラクターを動かすというよりは、キャラクターの動く姿を追いかけているような感じですね。
有川:私は先輩の言葉を借りてプロット派とライブ派って言っているんですけど、作家には物語の基礎(プロット)を最初にある程度組み立てておいてから書き出すプロット派と、逆にプロット無しで書いちゃうライブ派がいると思うんですね。その先輩によると、プロット派というのは「よし、これなら最後まで書ききれる」と安心する人で、「よし、これなら書き始められる」というのがライブ派だと。で、私は完全にライブ派ですね。書き始めたら、後は私がキャラクターたちを追いかけて書いていくという感じで、キャラクターによっては私の知らない設定を出してくることもありますね。

■今後の予定は?
有川:今は目先のことを片づけるのに精一杯で(笑)。来年1月には幻冬舎の「papyrus」で連載している『阪急電車』が単行本になります。

■最後に、有川さんが考える活字との楽しい付き合い方を教えてください。
有川:それは人によるかと思うんですけど、少なくとも人の趣味には口を出さないということでしょうか。自分が好きな物をけなされたら、嫌な気持ちになるでしょ? 自分がやられて嫌なことは他人にもしないといういことですね。後、いわゆる本読みの人にとっては、本が娯楽なんですね。財布の中にあらかじめ書籍費を取っているような人たちで、そういう人はつまらない本を探している暇はないんですね。とにかく面白い本を見つけたいと。つまんない本を見つけても、それは自分には合わなかったと忘れていくんですよ。それが活字を楽しく楽しむ秘訣かなと思いますね。「世間では人気だけど、自分に合わなかった。これは自分向きの本じゃない」とパッと忘れて、次の本を探しに行く。面白い本は探すものですよ。
 

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